はじめに~

「人間を支えているものは自信です。」

 

 平成20年3月26日(水)、高校準備講座初日の1時間目の数学の時間。県立入試の合格発表を終えて丁度1週間が過ぎていました。私は教室の後ろの小窓から授業の様子を何気なく見ました。県立入試前日の3月11日(火)以来の塾の授業を受ける生徒たちはこれまでにない雰囲気を出していました。オーラとでも申しましょうか。全員が自信に満ち溢れ、非常に落ち着いた空気が流れています。県立入試前には不安に包まれてあんなに自信がなさそうにしていた受験生達が、まるで別人のようになっていました。数学が終わり、2時間目の英語の時間になりました。私は全員の顔を見回しました。誰も彼も非常にすっきりとした表情をしていました。そして難しいと予想される高校での勉強を想像して不安を口に出しながらも、これまで頑張ってきたという自負を全員が持っていました。人間は自信を持つと大きく変わることができますね。平成20年度入学者受験のこのメンバーは、これまでの学年と比べて、学力が突出していたわけではありませんでしたが、保護者の方々の愛情に包まれ、自分たちの責任の下に努力を重ねました。ある生徒は前日まで不安をあらわにし、またある生徒は弱い自分に負けそうになって志望校を安易に変えようとして何度も発破をかけられ気持ちを入れなおし、ある生徒は模擬試験の結果の悪さに悔し涙を流しながら帰り、またある生徒は入試が終わって向上塾に寄った際に思うように解けなかった悔しさと不安を抱えて涙を流しました。

 

 『思い立ったが吉日』と申しますが、頑張り始めた日は違えども、皆最後は「合格したい!」という強い思い、熱い思いを胸に、睡眠時間を削りながら自己ベストの頑張りを記録しました。15年間の人生の中で、こんなに自分を追い込んで頑張ったことはなかったことでしょう。

 

 人間は大人も子供も弱いものだと思います。いくら強い人でも弱い部分を持っています。少し頑張っても成績が上がらなければ、「自分は駄目なんだ。」と思い込んでしまったり、頑張ろうと思っても寝る前には毎日のように「ああ、また頑張れんかった・・・。」と反省を繰り返す受験生もいます。弱いから、自信がないから、余計に「頑張って成功した自分の姿」をイメージすることができないので、自分の弱い心を支えきれず、ついつい努力を怠ってしまったり、現実から逃げようとしてしまうものです。劇的に苦手科目や苦手分野が分かるようになったり、劇的に成績が上がったりすることは非常に稀です。義務教育の範囲の学習ですから、小さい頃から然るべき環境の中、然るべき方法で、然るべき学習をコツコツと続けていれば、必ず出来ることばかりなのですが、『苦手意識』や『面倒臭さ』や『マイナス思考』というものについつい負けてしまいがちなのが、人間、とりわけ小中学生ではないかと思います。

 

 そこで大切になってくるのが、「如何にして自信をつけるか?」ということです。子供たちが自信をつけて強くなれるように導くためには・・・、叱ることも大切ですが、叱ってばかりでは伸びません。叱られる先に光が見えてこそ、叱ることや叱られることが生きてきます。だからこそ努力を怠ったときは叱りますが、昨日より少しでも成長したら褒めたいと思います。前回出来なかったところが出来るようになったら、必ず褒めるべきだと思います。些細なことの積み重ねが大きな伸びを呼びます。生徒たちは「わからないから塾に来ている」。そう考えます。生徒の皆さんには「わからないから塾に行く」と強く意識して戴きたいと思います。

 

 今回の受験で改めて、子供たちにとって「合格は最良の薬」であることを学ばせて戴きました。合格発表の日の夕方、生徒たちが集まって、『県立高校全員合格』という事実を知ったとき、皆が誇らしげな表情で、はちきれんばかりの笑顔で盛り上がりました。これまでの自分達の苦労が何倍にもなって返ってきている瞬間でした。受験を通して、『第一志望校合格』ということだけではなく、『頑張ることの尊さ』や『苦しい戦いから逃げないことの素晴らしさ』を生徒諸君が学ぶことが出来て、私は大変嬉しく思いました。その思いがまた、新たな1年の礎になります。

 受験生諸君、今年も感動を有難うございました!

 

 向上塾 塾長 和田孝俊